「あらま、パパが村上おじさんに迎えに来てもらったの。それで、大きな飛行機に乗って、少し眠って……それで、来ちゃった……ははは」
甘奈は興奮して、嬉しそうに言った。
西村絵里:「……」
つまり……黒田真一なの?
西村絵里は美しい瞳を見開き、甘奈の後ろに立つ端正な男性を見た。
黒田真一は薄い唇を引き締め、西村絵里を見つめ、はっきりとした口調で言った。
「わかっていた、娘に会いたかったんだろう」
西村絵里:「……」
西村絵里は決して感傷的な人間でも、よく泣く人間でもなかった。
しかし、黒田真一の言葉を聞いた途端、涙が目に溢れてきた。
そう、本当に娘に会いたかった、それも切なくて仕方がなかった。
西村絵里は興奮して小さな手を伸ばし、小さな女の子を抱きしめようとしたが、薄い布団の下で自分が何も着ていないことに気づいた……
西村絵里はすぐに頬を赤らめ、潤んだ瞳で、かすれた声で言った。
「黒田真一……甘奈を……ちょっと連れて出てくれない?服を着るから」
「わかった」
黒田真一は前に出て小さな女の子を抱き上げた。飛行機の中でたっぷり眠ったので、甘奈はとても元気だった。
特に見知らぬ場所に来て、とても楽しいと感じていた。
「甘奈ちゃん、ママが服を着るから、パパと一緒に外に出ようね」
「やったー」
甘奈は力強くうなずき、西村絵里を見ながら、顔をしかめた。
「へへへ……ママ、服着てないの、ママ、恥ずかしいね」
「うぅ……」
西村絵里は黒田真一を非難するように見つめ、急いで布団の中から横にあったネグリジェを探り、着替え始めた。
着替えが終わると、西村絵里は急いでバスルームへ向かって身支度を整えた。
ここは……
本当に豪華だった。
西村絵里はバスルームの設備を見て、すべてが水晶で磨かれていることに気づいた。
さらに……装飾の一部は、完全に金箔が使われていた。
この極限まで贅沢を尽くした大統領スイートを、西村絵里は初めて目にした。
西村絵里は身支度を整えてから、再びバスルームから出てきた。
甘奈は黒田真一の腕の中で寄り添い、彼に面白い話をしていた。
「パパ……この二日間のことは、電話で報告したけど……でも、まだまだ楽しいことがいっぱいあるの」