西村絵里:「……」
西村絵里は男の横顔を見つめていた。否定できないことだが、黒田真一はまさに完璧なほど整った顔立ちの持ち主だった。
どんな状態であっても、彼はいつも最も魅力的で人を圧倒する存在だった。
さらに……
どんな角度から見ても。
彼は極限まで洗練された美しさを持っていた。
こんな男性は……
まるで天上の存在のようだった。
そう思うと、西村絵里の心の中で複雑な感情が渦巻いた。
黒田真一という男は、まさにケシの花のようだ。触れれば毒に侵されることを知りながらも、思わず近づいてしまい、そして堕ちていく。
……
レストランでは、給仕係がすでに豪華なローマ風の朝食を用意していた。
食器はすべてプラチナや銀製の非常に美しいものだった。
小さな甘奈はすでにたくさんのお菓子を食べていたので、お腹はいっぱいだった。飛行機の中でもしばらく眠っていたため、まったく眠気はなかった。