西村絵里はその様子を見て、思わず全身に冷や汗をかいた。
カリーナは、一体何をしようとしているのか……
名誉や利益での誘惑が効かないから、今度は色仕掛けで直接誘惑するつもりなのか?
そう考えると、西村絵里は小さな手を握りしめた。
そのとき、黒田真一が薄い唇を引き締め、冷たい言葉が書斎に響いた。
「カリーナ、君のその姿は、ローマのメディアが喜びそうだね」
言い終わると、黒田真一はすぐに携帯を取り出し、電話をかけようとする仕草をした。カリーナは顔色を変え、急いで前に出て言った。
「黒田社長、私の体つきは黒田奥さんより劣るのですか?だから私に魅力を感じないのですか?」
西村絵里:「……」
西村絵里はカリーナを見つめ、それから自分の体を見下ろした。
うーん……
確かに少しだけ良いかもしれない。