黒田真一は水滴が女性の白磁のような首筋からゆっくりと流れ落ちるのを見つめていた。その肌は柔らかく、雪のように白く輝いていた。
西村絵里は美しかった。
ただ、黒田真一は西村絵里がこれほどまでに息を呑むほど美しいとは思っていなかった。
自分が息ができないほどに。
西村絵里は男性の上に跨ったまま、身動きが取れず、ひどく落ち着かない様子だった。
どうしても違和感があった……
「黒田真一、私……」
自分がどうして上になっているのか。
西村絵里は顔を真っ赤にしていた。
その姿が黒田真一の視線に入ると、とても可愛らしく見えた。
「ダメ……バスタブの中じゃなくて、外に……行きましょう」
逃げられないと悟った西村絵里は、もう拒絶しないことにした。
結局……黒田真一の言う通り、これは夫婦の義務なのだから。