しかし、本当に広い水域が怖くて、特に体全体が水に浸かっている時、水が自分にかける圧力が怖い。
以前は肩にかけていたバスタオルが、いつの間にか波に打たれて流されていた。
黒田真一の視線が西村絵里に触れ、彼女の愛らしく妖精のような水着姿に、喉仏が何度か上下した。
「しっかり掴まって……まずはこの海に慣れさせてあげる。」
「うん。」
西村絵里は黒田真一の首に腕を回し、彼に抱かれたまま深海へと泳いでいった。
ここの海水は、本当に比類なく青かった。
西村絵里は海の中の色とりどりの魚たちを見ることができ、とても可愛らしかった。
西村絵里は思わず唇を曲げ、笑い声を漏らした。
「黒田真一……見て……」
「うん……」
黒田真一は西村絵里の口角が上がる様子を見て、瞳の奥に一瞬暗い光が走った。
西村絵里のこの新鮮な表情が大好きだった。
黒田真一の安心させる態度のおかげで、西村絵里は水に対する恐怖が少なくなってきた。ただ、泳ぎを学ぶのはまだ少し難しかった。
でもそれで十分だった……
西村絵里は深呼吸をし、本当に恐怖を克服した後、自分にもできると気づいた。
「黒田真一、さっきはありがとう。」
黒田真一は西村絵里が珍しく自分に対して真剣に感謝の言葉を述べるのを見て、意味深な眼差しで自分の腕の中の女性を見つめ、薄い唇を彼女の耳たぶに近づけ、魅惑的な声で言った。
「ん?黒田奥さんはこんな簡単な言葉だけで黒田さんに感謝するの?実質的な感謝はないの?」
西村絵里:「……」
実質的な感謝?
それは何……
西村絵里の美しい瞳がわずかに震え、自分の前で大きくなる黒田真一のハンサムな顔を見つめると、彼の薄い唇がすぐに自分の唇に落ちてきた。
「んっ。」
黒田真一は満足げに口角を上げ、大きな手で女性の細い腰を抱き、キスはどんどん深くなっていった。
二人は青い海と空の下で、限りなく甘美なキスを交わした。
甘奈は短い足を揺らしながら、西村絵里と黒田真一がどんどん深くキスするのを見て、嬉しくなった。
あらら……
恥ずかしいなぁ。
パパとママが一緒にいる姿は美しすぎる。
……
西村絵里と黒田真一は水の中でしばらく熱いキスを交わした後、黒田真一は西村絵里の腰から手を離し、熱い視線で目の前の女性を見つめ、自ら口を開いた。