西村絵里は黒田真一に抱かれたまま寝室に入った。男はいつも強権主義で、少しの反論も許さなかった。
西村絵里は落ちないように、小さな手で男の首に腕を回すしかなかった。
この城の中の各部屋は、本当にそれぞれ異なっていた。広々とした寝室は、色彩の選択において古典的な薄緑色を主調とし、白い漆喰の線と組み合わせることで、寝室に清新さと自然さを醸し出し、人を心身ともにリラックスさせた。
精巧なシャンデリアと優雅なカーテンの組み合わせ、静かな部屋に寝室の灯りが灯ると、心の自然な帰属感が自然と湧き上がってきた。心が喜びに満ちる。
シャンデリアの光が西村絵里と黒田真一の上に美しく降り注ぎ、幻想的な雰囲気を醸し出していた。
不思議な既視感が心に漂っていたが、西村絵里はその時、何とも言えない感覚だった。
西村絵里の小さな顔が少し赤くなった……
次の瞬間、彼女は男に抱かれたままベッドに横たわり、そして男はチーターのように身を乗り出してきた。
西村絵里:「……」
西村絵里の心臓は半拍飛び跳ね、小さな手で男の服の端をつかみ、まるで狼から身を守るかのように目の前の黒田真一を警戒していた。
黒田真一は黒い瞳を細め、自分の下で慌てふためく女性を見つめていた。まるで小さな白うさぎのようだった。
西村絵里……いつも恋愛経験のない少女のような感覚を与えてくれる。
黒田真一は大きな手で女性の柔らかく白い顔を撫で、西村絵里と甘奈がちょうど入浴を済ませたばかりだったので、体からはミルクの香りが漂っていた……甘奈のために使ったボディウォッシュの香りだった。
「いい香りだ」
西村絵里:「……」
幻想的な灯りの下、男の視線は熱く、まるで自分が彼の獲物であるかのような感覚。
いつでも目の前の男に飲み込まれるのを待っているかのようだった。
西村絵里の小さな顔が自然と赤くなった……抵抗しようとしたが、男の鉄の腕に制限され、身動きが取れなかった。
「黒田真一……私……私はこういうことは自制すべきだと思う……」
西村絵里は唾を飲み込み、心の底から言いたかったことを口にした。
うん……自制しなければならない。
さもないと……自分の小さな体では耐えられない。
黒田真一は眉を上げ、西村絵里の言葉に非常に興味を持ったようだった。