第536章 甘奈の虫歯を診る1更(3)

「わかった。」

……

西村絵里がキッチンに行くと、ちょうど村上秘書がキッチンから温かい水を2杯注いで出てくるところだった。村上秘書はすぐに目で西村絵里を安心させた。

ご心配なく、奥様。私が見ていますから、何も問題ありません。

西村絵里:「……」

村上秘書は職場で長年働いてきて、人の顔色を読み取り、何でも知っているのだろう。

西村絵里は口元に微笑みを浮かべ、多くを語らず、深呼吸をして、キッチンで素早く忙しく動き始めた。

早くしないと……

もしかしたら、遅れれば、二人は対立し始めるかもしれない。

……

リビングルーム:

黒田真一は甘奈を抱きかかえていた。小さな女の子は今、黒田真一に特別になついていて、ソファに座りながらも、小さな体を黒田真一の胸に寄せていた。

「パパ、ママは大丈夫だって言ってたけど、本当?」