第540章 甘奈は顧姓か簡姓か2更(2)

この厄介な人物は、黒田真一だった……

村上秘書:「……」

黑田奥さん、あなたはそんなに現実的なんですね、自分でわかっていますか?

村上秘書はますます不安になった。

「奥様……これで本当に大丈夫でしょうか?」

「大丈夫よ、どうせ一人増えれば箸が一膳増えるだけのことだから」

それに、自分が一言多く話すだけのことで、大したことではない。

「わかりました……ありがとうございます、奥様」

村上秘書は背筋を伸ばした。ふん……どうせ黒田奥さんが後ろ盾になってくれるのだから、怖くなんかないわ。

それに黒田社長の作った料理も食べられるなんて、まあ、幸せすぎるわ。

そう考えると、村上秘書は満足感で胸がいっぱいになり、うきうきした。

西村绘里はその様子を見て、口元をひきつらせた……

なぜか村上秘書のこの姿がとても面白く感じられた。

……

西村绘里がソファに座ると、小さな女の子がすぐに寄ってきた。

「ママ、抱っこ」

「うん……」

西村绘里が小さな女の子の頬にキスをすると、すぐに彼女の鋭い目が左手の人差し指の絆創膏に気づいた。

「ママ……怪我したの?」

「うん……さっき野菜を切っているときに手を切っちゃったの。でも全然痛くないわ、本当よ。ママは甘奈の大好きなボーイに誓うわ」

西村绘里は口元を緩め、小さな女の子のピンク色の頬をつまんだ。

藤原海翔はその様子を見て顔を曇らせ、すぐに西村绘里の左手を自分の手の中に握った。

「どうしてそんなに不注意なの?」

「包丁で手を切るのは避けられないことよ、藤原三郎。そんなに大げさに反応することないわ」

「ふん、とにかく俺様はお前が……怪我するのを許さないんだ」

西村绘里:「……」

藤原海翔は本当に子供みたいだな。

西村绘里は思わず笑みを浮かべ、頷いた。

「はいはい、わかったわ……これからは自分をパンダのように大切に扱うわ、どう?」

「それならまあいいか」

藤原海翔は眉を上げ、西村绘里の返答に満足した様子だった。甘奈は小さな口を西村绘里の傷口に近づけ、そっと息を吹きかけた。

「うん、ママ痛くないよ、痛くないよ、ふーふーしたら痛くなくなるよ」

西村绘里は小さな女の子のこの仕草に、すっかり心が溶けた。

……