この姿の矢崎凌空を見て、西村绘里は思わずカリーナを思い出した……
「黒田社長……申し訳ありません、午前中のお忙しい時間に、お仕事の邪魔をして。」
「何か用か?」
黒田真一は何気なく用件を尋ねたが、視線は一度も矢崎凌空に留まることなく、すべて彼女の隣にいる西村绘里に注がれていた。
西村绘里は黒いスーツに白いシャツを合わせ、その腰は本当に細く、片手で掴めそうだった。
美人は国をも傾ける。
特に西村绘里が笑わない時は、全身から漂う独特の雰囲気が……思わず視線を引き付け、魅了される。
西村绘里のような女性に出会ったことがなかった。静かに隅に立っているだけで、男性にとっては魅惑的で……
「実はですね……黒田社長、ご存知の通り、先日新しい規定を出されましたよね。今月末までにデザイン部で最も成績が良かった者がデザイン部の主任になれるという。」