第587章 年前の出来事2更新購読をお願いします(6)

自分は確かに香坂家の人なのに……

山口琴子は実の父親が亡くなった後、自分が黒田悠真の息子だと告げた。

「お母さん……黒田グループは兄の母親が父に持参した嫁入り道具だよ……僕たちには奪う理由なんてないよ」

「バカ言うんじゃないよ……何が嫁入り道具よ、あれは黒田家のものなのよ、あなたは黒田悠真の息子なんだから、当然あなたのものになるべきなの……それに、この仙台市では、黒田グループは香坂家の百倍の価値があるのよ。黒田グループを手に入れれば、お母さんの老後も、もしあなたのお父さんに何かあっても、お母さんには保障があるわ」

香坂悠生:「……」

時々、香坂悠生は本当に聞きたくなる。

山口琴子と黒田悠真の間に、本当に愛情があったのかどうか。

なぜ……いつも話すのは保障のことばかりなのか。