第591章 旦那様、給料上げて1更(2)

「旦那様って呼んでみて、そうしたら考えてあげる」

西村绘里「……」

厚かましさで言えば。

本当に黒田真一より厚かましい人はいない。

西村绘里は男の厚かましい言葉を聞いて、口元が少し引きつったが、心の中で少し動揺した。

もし……本当に効果があったらどうしよう?

自分が得をするじゃない。

そう思うと、西村绘里は小さな声で呼んでみた。

「うーん……旦那様、給料上げて」

黒田真一「……」

この一言の「旦那様」は、本当に黒田真一の骨までとろけさせるものだった。

他の男性も自分の妻に「旦那様」と呼ばれたとき、同じような感覚になるのだろうか。

少なくとも……黒田真一は全身に電流が走り、そのまま胸の奥に直撃したような感覚を覚えた。

黒田真一は墨のような深い瞳に濃密な思いを宿し、目の前の女性をじっと見つめながら、何気なく口を開いた。

「もっと近くに来て、さっきは小さすぎて聞こえなかったよ」

西村绘里「……」

西村绘里は男の厚かましい様子を見て、仕方なく数歩前に進み、黒田真一と一緒にキッチンに立ち、料理を温める手伝いをした。

「うーん……黒田さん、旦那様……給料少し上げてくれませんか」

黒田真一「……」

黒田真一は女性のその言葉を聞いて、細長い瞳を少し細め、すぐに西村绘里を抱きしめ、カウンターの上に座らせた。

西村绘里「……」

壁ドンが来た。

西村绘里はゴクリと唾を飲み込んだ。

自分は壁と黒田真一の間に閉じ込められ、身動きが取れない。

重要なのは、自分がカウンターの上に座っていること……

この姿勢は、少し妖しいのではないか。

西村绘里は多少顔を赤らめ……視線をどこに向けるべきか分からず、目の前の男性を見つめた。黒田真一の整った顔立ちは、いつも全ての女性を驚嘆させるものだった。

自分も女性として……常に男性のこの完璧な容姿に魅了されていた。

西村绘里は目の前の男性を見つめ、二人の間の雰囲気を和らげようと口を開いた。

「黒田社長……色仕掛けですか?」

「もちろん……」

西村绘里「……」

黒田真一ほど厚かましい人は他にいないだろう、こんなに堂々とした態度を取れる人は。

西村绘里は美しい瞳に一筋の暗い光を宿し、不機嫌そうに男性の胸を押しやり、顔を真っ赤にした。