病室内:
西村絵里の優しい指先が黒田真一の眉間に触れた……
ある種の男性は、いつでもどこでも友達ができないほどにかっこいい。
黒田真一……はまさにそういう人だった。
今、病気で病床に横たわっていても、その威厳はまったく衰えていなかった。
それどころか……
男の美しい容姿にさらに魅了されてしまう。
西村絵里は唇を噛み、男の整った顔立ちに視線を落とした。
黒田真一は、間違いなく彼女が見た中で最もハンサムな男性だった。
西村絵里の口元に苦笑いが浮かんだ……
おそらく、黒田真一が眠っている時だけ、自分の小さな手が男の眉間に触れ、その皺を和らげることができるのだろう。
普段は……
無意識のうちに自己防衛し、男との間に比較的安全な距離を保っていた。
たとえ……
二人が最も親密な行為をしたとしても。
潜在意識の中で、彼女はまだ黒田真一という男性が……
自分のものではないと感じていた。この男性が自分と甘奈のそばに一生いてくれるという自信が全くなかった。
西村絵里の口元に再び苦い笑みが浮かんだ。いつからこんなに自信がなくなったのだろう。
しかし……
子供の母親になれば、何事も慎重に考えるべきではないだろうか?
結局のところ……甘奈はまだ小さな子供だ。
自分が彼女の人生に責任を持たなければならない。
「黒田真一……あなたさっき……」
なぜそうしたの……
もし……そうしなければ。
今の自分の心境はこんなに複雑ではなかっただろう。
西村絵里の言葉は完全に口に出されず、少し途切れた……
西村絵里……
あなたはもうダメね。
黒田真一という男性に完全に魅了されてしまった。
……
西村絵里の小さな手が何度も男の眉間を撫でた後、ようやく手を引こうとした時、男が突然大きな手を伸ばして彼女の手首を掴んだ。
西村絵里の美しい瞳が驚いた……
女性の清らかな視線が、まだ鋭く深遠な男の黒い瞳と合い、驚きのあまりその場で固まった。
黒田真一……
彼はさっきまで意識不明だったのではないか?
いつ目を覚ましたのだろう?
西村絵里は唇を噛み、少し気まずくなり、無意識に尋ねた。
「いつ目を覚ましたの?」
「西村絵里……さっき言いかけたことは、何?」
西村絵里:「……」