今、これらの株はまだ自分の名義になっている。
西村絵里は心がちらりと揺れ、少し気を失った。
「うん。」
西村絵里は男性の側に歩み寄り、視線を男性の胸の白い包帯に落とし、静かに言った。「傷はまだ痛いの?」
「黒田奥さんのことを考えると傷が引っ張られて、痛むよ。」
西村絵里:「……」
黒田真一に甘ったるくない言葉を期待するのは、どうやら難しいようだ。
西村絵里は口角に薄い弧を描き、不機嫌そうに口を開いた。
「そう?黒田さん、もし本当に良心があるなら……給料を上げてくれる方が現実的だわ……あなたはこういう甘い言葉を言うけど、実際の行動がないのは、本当に感情を傷つけるわ。」
黒田真一は女性の冗談めいた言葉を聞いて、薄い唇を少し曲げた。
「黒田奥さん、トイレに連れて行ってくれないか。」
西村絵里:「……」
黒田真一の感情は……直接この給料アップの話題を避けたのだ。
本当に意地悪だ。
「いいわ。」
最初の不慣れさを経験した後……二回目は、西村絵里は比較的慣れていて、黒田真一の腰を支える時、小さな手はより正確に男性の腰に回し、できるだけ黒田真一が傷を引っ張らないようにした。
最も主な理由は、もちろん自分が本当に背が低すぎるからだ。
そのため、最も直接的な結果として……西村絵里は時々歩く時につま先立ちをしなければならず、とても大変だった。
しかし男性の大きな体が自分の上に乗り、ちょうど自分を抱きかかえるような感じで、西村絵里は美しい瞳を少し輝かせた。
もし……黒田真一の顔色が紙のように青白くなければ、自分はきっと男性がわざとやっていると思っただろう。
やっとトイレの入り口に着くと、西村絵里は静かに言った。
「黒田真一……もし一緒に入って……あなたのズボンを脱がせるなら、追加料金が必要よ。」
仕方ない、今日はいじめられたのだから、何とかしてお金を取り戻さないと気が済まない。
黒田真一はその言葉を聞いて黒い瞳を細め……西村絵里の言葉を避けるのではなく、直接大きな手で西村絵里の細い手を掴み、西村絵里を引っ張って中に入った。
西村絵里:「……」
追加料金にこんなに気前がいいの?
西村絵里は少し顔を赤らめた。
黒田真一についてトイレに入ると、実際……自分の心の中ではまだ少し恥ずかしさがあった。
「黒田真一……」
「脱がせて。」