言い終わると、西村絵里は察して身を翻し、点滴を高く掲げた。
しかし……耳元で男の磁性のある声が響いた。
「これで終わり?昨日は確か……君は僕にフルサービスをしてくれたはずだよ……例えば……僕を支えて……トイレに行くとか。」
西村絵里:「……」
「支えて」の後、男の言葉が一瞬途切れ、明らかに意図的に余白を残した。
西村絵里はそれを聞いて口角が少し痙攣した……
なぜか……自分が何か間違っているような気がした。
昨日、彼のズボンを脱がせた後、男に小さな手を握られ、下着まで脱がされてしまった。
そして……あれを支えて……トイレに行った。
西村絵里は何を支えていたのかを思い出した瞬間、顔が一気に真っ赤になった。
黒田真一……もう十分だ。
「黒田真一!あなたは自分でできるじゃない。胸を怪我して、かがんだり上げたりできないだけで、他のことができないわけじゃないでしょ。」
「でも、黒田奥さんが僕にフルサービスしてくれるのが一番楽しいんだ。」
黒田真一は堂々と言い、完全に元気いっぱいで、どこが怪我人なのか分からないほどだった。
西村絵里:「……」
「私……お金増やさなくていいから、もうやめていい?」
「ダメだ……お金増やさなくてもやってもらう。」
言うと、黒田真一は西村絵里の小さな手を直接掴んだ……
西村絵里:「……」
……
その後、黒田真一が用を済ませて出てきた後、西村絵里は再びトイレに行き、何度も手を洗ってから出てきた。
最低な人……
黒田真一と揉み合って彼の胸の傷が裂けることを心配していなければ、自分は……何があっても抵抗していただろう。
黒田真一の性格は、何をするにしても、ほとんど確信に満ちている。
まるで彼は、自分が抵抗する勇気がないことを確信しているかのようだった……
用を済ませた後、黒田真一は気分良く、優雅にベッドで新聞を読み、会社で起きたことについては一切口にしなかった。
西村絵里は黒田真一の性格を知っていた。何事も男の目を逃れることはできないので、黒田真一が言わないなら、男は心の中で分かっているのだから、西村絵里も特に何も言うつもりはなかった。
「先にりんごの皮をむくわ。あなたはりんごを食べながら……少し待って、すぐご飯ができるから。」
「いいよ。」