来春さんが去った後、リビングには藤原景裕と村上念美の二人だけが残った。
まあ、ボスは数に入れないけど。
村上念美は昨夜の熱い場面を思い出し、少し気まずさを感じていた。
確かに...あの時は意識が朦朧としていて、ほとんど覚えていないのだけれど。
でも、自分から男性に近づいていったこと、そしてソファに押し付けられ、その後は極めて親密な姿勢で男性の腰に跨っていたことは、かすかに覚えている...
村上念美は気まずさを堪えながら朝食を食べ終えると、箸を置いて言った。「藤原さん、食べ終わりました。先に行きますね。」
「ああ。」
藤原景裕はさらりと返事をし、黒い瞳を細めて村上念美が落ち着かない様子でドアへ向かう姿を見つめながら、かすかに口角を上げた。
ボスは興奮して村上念美の後をついて行き、一緒に出勤しようとしていた。