035 藤原景裕と夫婦の相

藤原社長室:

藤原景裕は眉を寄せながら椅子に座り、表情は厳かだった。

昨夜の村上念美のさりげない接近、親密さに、自分は完全に崩れ去ってしまった。

今日は思考が完全に乱れ、仕事に集中できない。

頭の中から消えないのは彼女の一挙手一投足。

そして彼女が痛がる姿。

仕事中毒の自分が仕事に集中できなくなるのは、村上念美以外にいない。

うーん、経験...

どうやって向上させるかが問題だ。

藤原景裕は手を上げて眉間を軽くマッサージした...藤原景裕はずっとこの手の事は独学でできると思っていた。

例えば少年時代、恋愛に疎かった自分が、村上念美がシルクの寝間着で近づいてきたことで、翌日には春の夢を見てしまった。

その後も、村上念美が近づいたり、からかったりするたびに、自分の体に異変が起き、春の夢を見るようになった。

だから、藤原景裕は...これは独学でできると思っていた。経験はなくても、自分の才能は悪くないはずだ。経験値ゼロから学んでも、問題ないはずだ。

主に藤原景裕は経験をどう学べばいいのかわからなかった。

うーん、高校時代、周りのクラスメイトは多かれ少なかれビデオから学んでいた。

自分はあの頃、村上念美に付きまとわれて、そんなことに気を配る余裕がなかった。

あの時、他のクラスメイトが自分を誘って一緒に見ようとしたが、断った。

興味は村上念美だけにあった。

藤原景裕は薄い唇を引き締め、誰かに聞く?

誰に?

誰に聞いても口に出せないと思った。

生理学について学ぶ...

藤原景裕:「...」

考えただけで、藤原景裕の耳が不自然に赤くなり、時間は午後5時まで過ぎていた。

うーん、藤原景裕はよく考えた。自分は学習能力が高い。これは実践あるのみだ。

だから出した結論は、経験は実践で得るもの、今夜から実践を始めよう。

...

時間が少し過ぎ、残りの30分は藤原景裕にとって一秒が一年のように感じられた。

時間がなぜこんなにゆっくり過ぎるのか...

藤原景裕は早く村上念美に会いたかったが、クールな性格から、早く行くのは嫌だった。早く行けば、隠していた気持ちがばれてしまう。

やっと30分が過ぎ、藤原景裕は素早く立ち上がり、車のキーを取って急いでオフィスを出た。