藤原社長室:
藤原景裕は眉を寄せながら椅子に座り、表情は厳かだった。
昨夜の村上念美のさりげない接近、親密さに、自分は完全に崩れ去ってしまった。
今日は思考が完全に乱れ、仕事に集中できない。
頭の中から消えないのは彼女の一挙手一投足。
そして彼女が痛がる姿。
仕事中毒の自分が仕事に集中できなくなるのは、村上念美以外にいない。
うーん、経験...
どうやって向上させるかが問題だ。
藤原景裕は手を上げて眉間を軽くマッサージした...藤原景裕はずっとこの手の事は独学でできると思っていた。
例えば少年時代、恋愛に疎かった自分が、村上念美がシルクの寝間着で近づいてきたことで、翌日には春の夢を見てしまった。
その後も、村上念美が近づいたり、からかったりするたびに、自分の体に異変が起き、春の夢を見るようになった。
だから、藤原景裕は...これは独学でできると思っていた。経験はなくても、自分の才能は悪くないはずだ。経験値ゼロから学んでも、問題ないはずだ。
主に藤原景裕は経験をどう学べばいいのかわからなかった。
うーん、高校時代、周りのクラスメイトは多かれ少なかれビデオから学んでいた。
自分はあの頃、村上念美に付きまとわれて、そんなことに気を配る余裕がなかった。
あの時、他のクラスメイトが自分を誘って一緒に見ようとしたが、断った。
興味は村上念美だけにあった。
藤原景裕は薄い唇を引き締め、誰かに聞く?
誰に?
誰に聞いても口に出せないと思った。
生理学について学ぶ...
藤原景裕:「...」
考えただけで、藤原景裕の耳が不自然に赤くなり、時間は午後5時まで過ぎていた。
うーん、藤原景裕はよく考えた。自分は学習能力が高い。これは実践あるのみだ。
だから出した結論は、経験は実践で得るもの、今夜から実践を始めよう。
...
時間が少し過ぎ、残りの30分は藤原景裕にとって一秒が一年のように感じられた。
時間がなぜこんなにゆっくり過ぎるのか...
藤原景裕は早く村上念美に会いたかったが、クールな性格から、早く行くのは嫌だった。早く行けば、隠していた気持ちがばれてしまう。
やっと30分が過ぎ、藤原景裕は素早く立ち上がり、車のキーを取って急いでオフィスを出た。