035 藤原景裕と夫婦の相

藤原社長室:

藤原景裕は眉を寄せながら椅子に座り、表情は厳かだった。

昨夜の村上念美のさりげない接近、親密さに、自分は完全に崩れ去ってしまった。

今日は思考が完全に乱れ、仕事に集中できない。

頭の中から消えないのは彼女の一挙手一投足。

そして彼女が痛がる姿。

仕事中毒の自分が仕事に集中できなくなるのは、村上念美以外にいない。

うーん、経験...

どうやって向上させるかが問題だ。

藤原景裕は手を上げて眉間を軽くマッサージした...藤原景裕はずっとこの手の事は独学でできると思っていた。

例えば少年時代、恋愛に疎かった自分が、村上念美がシルクの寝間着で近づいてきたことで、翌日には春の夢を見てしまった。

その後も、村上念美が近づいたり、からかったりするたびに、自分の体に異変が起き、春の夢を見るようになった。