藤原社長室:
藤原景裕は眉を寄せながら椅子に座り、表情は厳かだった。
昨夜の村上念美のさりげない接近、親密さに、自分は完全に崩れ去ってしまった。
今日は思考が完全に乱れ、仕事に集中できない。
頭の中から消えないのは彼女の一挙手一投足。
そして彼女が痛がる姿。
仕事中毒の自分が仕事に集中できなくなるのは、村上念美以外にいない。
うーん、経験...
どうやって向上させるかが問題だ。
藤原景裕は手を上げて眉間を軽くマッサージした...藤原景裕はずっとこの手の事は独学でできると思っていた。
例えば少年時代、恋愛に疎かった自分が、村上念美がシルクの寝間着で近づいてきたことで、翌日には春の夢を見てしまった。
その後も、村上念美が近づいたり、からかったりするたびに、自分の体に異変が起き、春の夢を見るようになった。