075 心を尽くす女【イベント進

「あっ……」

足首が焼けるように痛み、村上念美は眉をひそめ、藤原景裕の表情が微かに変わった。

「捻挫したのか?」

村上念美は痛みに顔をしかめながら頷いた。ボスは自分が悪いことをしたと気づいたようで、すぐに大人しく村上念美の足元に伏せた。

「歩ける?」

「うん」

村上念美は歯を食いしばって頷き、歩こうとしたが、右足首が焼けるように痛み、全く歩けなかった。

藤原景裕の表情が引き締まり、すぐにかがんで村上念美の右足首を素早く検査した。

「骨には異常がない。普通の捻挫だろう。温めれば良くなるはずだ」

村上念美は美しい瞳を見開いた。以前、藤原景裕がいた頃は、自分はただ安心して愚か者でいればよかった。彼がすべてを掌握し、自分は彼を掌握するだけで十分だった。

藤原景裕は軍隊にいた間、自立した生活を送り、特に怪我に関する知識は熟知していた。