083 孫嫁保衛戦

景山大旦那様が村上念美を見送った後、テーブルの上のいちごケーキを手に取った。

「ほら、買ってきたよ……お前が小さい頃に一番好きだったものだ」

景山瑞樹:「……」

まあいいか。

「そうだ、私を送る必要はないよ。私には運転手がいるから大丈夫だ。お前は彼女のところへ行きなさい」

景山大旦那様は笑みを浮かべながら景山瑞樹を見て、声を上げた。「理由がないと思っているだろう?安心しなさい、一つ残しておいたよ。いちごケーキ、189元まだ彼女に払っていないから……行きなさい」

景山瑞樹は老人の策略が多すぎると妙に感じた。

景山瑞樹は口元に魅惑的な笑みを浮かべ、頷いてテーブルの上のいちごケーキを手に取った。

「はい、わかりました……」

女性は甘いものが好きだと言うじゃないか?

自分が花を借りて仏に供えるように、村上念美に持っていって食べてもらおう。

……

景山大旦那様が景山瑞樹に後部座席に乗せられると、興奮した様子で言った。「藤原家へ行きなさい。藤原じいさんと会いたい」

「はい、大旦那様」

運転手は怠ることなく、すぐに景山大旦那様を藤原家へ送った。景山大旦那様は藤原家に電話をかけ、自分の訪問を知らせ、藤原大旦那様に一緒に将棋を指してもらい、キッチンには自分の好きなおつまみをいくつか用意してもらうよう伝えた。

……

藤原家:

藤原大旦那様は景山大旦那様が入ってくるなり嬉しそうにしているのを見て、少し驚き、急いで尋ねた。「どんな風があなたを吹き寄せたのかね?」

「春風さ……」

昼間の藤原家には藤原大旦那様一人だけで、少し寂しかったが、今や景山大旦那様がいて、藤原家は賑やかになった。

「藤原よ、茅台酒が飲みたい……一本開けてくれ。お前が52度の特装版を隠し持っているのを知っているぞ」

藤原大旦那様は苦笑いしながら、使用人に自分の大切にしていた茅台を開けるよう指示し、積極的に尋ねた。「言ってみろ、何があって今日はそんなに機嫌がいいんだ?この雨の日に、妙に上機嫌だな」

景山大旦那様はにこにこしながらダイニングテーブルに座り、笑顔で言った。「私はね……景山瑞樹が好きな女の子に会ったんだよ」

藤原大旦那様はその言葉を聞いて表情が少し変わり、唇を引き締めて尋ねた。「その女の子はどんな出自なんだ?」

「しまった」