村上氏:
村上念美がオフィスに戻ってきた後も、まだ何だか不思議な気持ちだった。
一体何の話だったのだろう。
景山大旦那様の威厳は大崎市では誰もが知るところで、藤原大旦那様と並んで大崎市の泰山北斗と称されている。
ずっと厳格で真面目な人だと思っていたのに、実際に会ってみると、本当に面白い人だった...だからこそ景山瑞樹のようなチャラい孫を育てることができたのだろう。
「村上お嬢様、景山様がいらっしゃいました。お会いになりたいそうです」
レイアが敬意を表して部屋をノックして入ってきた。念美はそれを聞くとすぐに言った。「私はいないと伝えて...」
景山瑞樹が直接乱入してこなかったことに、念美はとても驚いた。
レイアが去った後、すぐにイチゴケーキを持って戻ってきた。
「村上お嬢様、これは景山様が残していったイチゴケーキです。あなたに食べてほしいとのことでした...」