087 彼に行ってほしくない、彼に付き添ってほしい【初回購入お願いします】

え?一緒に?

村上念美は藤原景裕の言葉を聞いて、その場で固まってしまった。良くないだろう。一緒に浴室に行ったら、どうやって藤原景裕の目の前で睡眠薬を飲めばいいのか。

村上念美は唾を飲み込み、震える声で言った。「ダメ...」

言い終わって、それではまずいと思い、かすれた声で続けた。「私...私一人でできるから。」

村上念美がまだ言い終わらないうちに、彼女は藤原景裕に抱きかかえられ、浴室へと運ばれていった。

男の腕は非常に力強く、村上念美は男の腕に縛られたように身動きができず、ただ男に抱かれるままだった。

藤原景裕の顔が平静なのに比べ、村上念美は緊張で心臓がドキドキと止まらなかった。

...

浴室に着くと、藤原景裕は村上念美を脇のカウンターに座らせた。「ここで大人しく座っていなさい。湯を入れてくる。」