え?一緒に?
村上念美は藤原景裕の言葉を聞いて、その場で固まってしまった。良くないだろう。一緒に浴室に行ったら、どうやって藤原景裕の目の前で睡眠薬を飲めばいいのか。
村上念美は唾を飲み込み、震える声で言った。「ダメ...」
言い終わって、それではまずいと思い、かすれた声で続けた。「私...私一人でできるから。」
村上念美がまだ言い終わらないうちに、彼女は藤原景裕に抱きかかえられ、浴室へと運ばれていった。
男の腕は非常に力強く、村上念美は男の腕に縛られたように身動きができず、ただ男に抱かれるままだった。
藤原景裕の顔が平静なのに比べ、村上念美は緊張で心臓がドキドキと止まらなかった。
...
浴室に着くと、藤原景裕は村上念美を脇のカウンターに座らせた。「ここで大人しく座っていなさい。湯を入れてくる。」
村上念美:「...」
村上念美は藤原景裕が背を向け、手慣れた様子で浴槽にお湯を入れるのを見ながら、唇を噛み締め、今夜どうすればいいのか必死に考えていた。
本来なら、二人が自然に一緒になり、子供ができることは、二人の関係における最大の進展のはずだ。しかし彼女は心の奥底からの恐怖を克服できなかった。なんということだ、3年前は自分が昼も夜も藤原景裕に飛びつきたいと思っていたのに。思いがけず、3年経って全てが様変わりしてしまった。
...
「できたよ。」
すぐに藤原景裕は浴槽にお湯を満たし、脇で小さな手をねじり合わせている村上念美を見て、薄い唇がかすかに上がった。
「どうした...嫌なのか?」
湯気が立ち込める中、男の目は鋭く、村上念美は心が震え、男の黒い瞳を見つめ返し、きっぱりと首を振った。
「そうじゃないの、ただまだ準備ができていないだけ。」
村上念美は真剣に答え、目をそらさず、美しい瞳は水のように澄んでいた。藤原景裕の目は熱を帯び、手を上げて女性の頬に触れると、村上念美は震えながら小さな手を伸ばして彼の大きな手を握った。
「少し時間をくれない?私...私は...」
「いいよ。」
村上念美:「...」
村上念美は元々覚悟を決めて、また藤原景裕に激しく攻められるだろうと思っていた。結局、結婚において、女性が拒むことは男性にとって挑発だ。ベッドの上で、彼女は既に何度も彼を挑発してきたのだから...