088 これはダメだ【月票を求む】_4

「聞いたことある?木村陽太のシアトルの会社は上場していて、資金力がすごいらしいよ。」

「もちろん知ってるわ、この景山瑞樹もなかなかよね...ここ2年、勢いが止まらないじゃない?」

「わぁ、でもそんなにお金を使いすぎるなんて、本当に狂気の沙汰よね。」

周りの人々がひそひそと話し合う中、村上念美は緊張で心臓の鼓動が高まり、小声で言った:「瑞樹、5億円も出す必要ある?」

私に...どうしろっていうの?

景山瑞樹はその言葉を聞いて無邪気な表情を浮かべ、黒い瞳を細め、視線を村上念美の隣にいる木村陽太に向けた。

「オークションは常に高値を付けた者が勝つものだ。公開、公正、透明...そして合理的だ。」

村上念美:「...」

まあ、自分が貧乏なんだから、文句は言えないよね...

木村陽太は村上念美の少し悔しそうな様子を見て、薄い唇を少し上げ、静かに言った:「本当は3億円の入札チャンスを君に譲るつもりだったんだ。」