091 藤原景裕の深情_5

景山瑞樹:「...」

村上念美は薬を脇に置き、温かい水を一杯注いだが、男からの反応は得られず、美しい瞳を暗くした。

村上念美は思わず手を伸ばして男の肩を押し、続けて言った:「起きて...」

「村上念美...」

景山瑞樹は酔いと熱で、意識がさらに朦朧としていた。

「お前この生意気な女、絶対に許さないからな。」

「病院なんか行きたくない...あの生意気な女と決着をつけるんだ。」

「生意気な女め、随分と大胆だな...今まで誰も俺にこんな態度を取る奴はいなかった、くやしいぜ。」

村上念美:「...」

夢の中で、景山瑞樹は自分に対してこんなに恨みを持っているのは、高校時代のことを思い出しているのだろうか？

村上念美は美しい瞳を暗くし、心の中で自分を責めた。本当に良いことは何もせず、たくさんの問題を起こしてきたのだ。

今、これらの問題には後遺症がある。

「村上念美...」

夢の中で景山瑞樹が自分の名前を呼び続けるのを見て、村上念美は唇を噛んだ。

あの時...もし自分があの「ぶりっ子」のために正義を振りかざさなかったら、これらの問題は起きなかったのだろうか。

「景山瑞樹、起きて、薬を飲まないと。」

村上念美は景山瑞樹を押し続けたが、彼は全く反応せず、独り言を続けた:「俺はお前のことを少しも好きじゃなかった...」

「好きじゃない...」

「なぜなら...俺はお前を愛しているからだ...」

村上念美は男の言葉に動きを止め、硬直した。

「でもお前は俺を愛していない、俺はどうすればいい？今まで生きてきて、俺を愛さない女なんていなかったのに...」

「俺は...今、臆病に臆病に、お前を愛している...」

村上念美:「...」

彼がどうして臆病なのか、全然臆病には見えないのに...

村上念美は桜色の唇を噛み、試すように景山瑞樹を支えて座らせ、薬を取って男の口に入れ、必死に水を飲ませようとした。

「うぅ...」

やっとのことで、村上念美は薬を全部男の口に入れることができ、少し安堵のため息をついた。

男が薬を飲み込んだようなので、村上念美は静かに言った:「私、もう行くね。ゆっくり休んで。」

言い終わると、村上念美は景山瑞樹の掛け布団をきちんとかけ、立ち去ろうとしたが、景山瑞樹に手首を掴まれた。

「行かないで...」