091 藤原景裕の深情_4

景山大旦那様：「...」

一人の男が、こんなことを口にするなんて...

景山大旦那様は誰かを敬服することはなかったが、唯一藤原景裕だけは敬服していた...

「お前は...本当に...」

景山大旦那様はどこか力なく、何か言いたいことがあるようだったが、どう切り出せばいいのか分からなかった。

「大旦那様、村上念美はこの件について知りません...私は最初から彼女と内緒で結婚すると約束していて、私の許可なしには誰にも結婚の事実を話さないことになっていました。」

「ふん、見たところ、お前は彼女に対して、良くないな...結婚したのに、人に言わせないなんて。」

藤原景裕：「...」

確かに、外から見れば、そう見えるのだろう。

藤原景裕は薄い唇を引き締め、小声で言った：「彼女は私の誇り、私の自尊心だ。だが私も彼女の前では自尊心と誇りを持っている...」

景山大旦那様は藤原景裕の言わんとすることをおおよそ理解した。

「言ってみろ、最初は脅して彼女と結婚したんじゃないのか？」

「ええ、少しそういう面はありました...」

「お前は...」

景山大旦那様は怒って手を上げかけたが、藤原景裕はすかさず言った：「あなたもお爺さまも銃を握り慣れた方々で、脅迫や強制なんて、よくやってきたことじゃないですか？」

「ふん...」

景山大旦那様は藤原景裕を眺め、左右から見比べ、藤原景裕と比べると、自分の景山瑞樹はそれほど優れているとは言えないようだった。

景山大旦那様は気分が良くなく、思わず口を開いた：「もし瑞樹のライバルがお前でなければ、どんなに良かったか...」

「私たち二人が同じ女性に目をつけたということは、瑞樹と私の目が同じだということです。大旦那様、これは良いことではありませんか。」

景山大旦那様：「...」

ふん...

道理が藤原景裕の口から出ると、本当に筋が通っているものだ。

景山大旦那様の怒りは藤原景裕の言葉で和らぎ、目の前の茶碗を持ち上げて再び一口飲んだ。

「お茶を飲みなさい。藤原じいさんはもうこの上等な龍井茶を飲む福はないから、お前が得するわけだ。」

「はい。」

藤原景裕は淡々と返事をし、目の前の龍井茶を持ち上げて軽く一口飲んだ。

「味はどうだ？」