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「藤原社長、この後3時に出席しなければならない会議があります。」
秘書は敬意を表して扉をノックして入り、ソファに座っている村上念美を一瞥し、内心ドキドキしながらも表情を変えずに言った。
「ああ、資料を準備して、すぐに会議室に行く。」
「かしこまりました。」
秘書が去った後、藤原景裕は立ち上がり、村上念美の前に立ち、唇を引き締めて言った。「ここで待っていてくれ。会議に出てくる。オフィスの物は何を触ってもいいよ。」
「わかった。」
村上念美は男性が何も隠さないことに、心が温かくなるのを感じた。
実は...デスク上のいくつかの書類に興味があったのだ。
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藤原景裕が去った後、村上念美はあくびをして、立ち上がって藤原景裕のオフィスチェアに座った...
なんて、快適なんだろう...
本革のシート、とても心地よい。
そして...オフィスチェアに座ると、村上念美は自分がとてもお金持ちになったような気分になった。
その感覚は、素晴らしかった...
所作の一つ一つが高貴で、全てを掌握している...そして何気なく署名するだけで数億円の契約になる。
藤原景裕の許可があったので、村上念美も遠慮せずに、デスク上の書類をめくり、藤原景裕の注釈の意図を慎重に考えた。
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村上念美は30分かけて3つの書類しか見ていなかった。それは土地開発と藤原氏の来年度の計画についてのものだった。
うーん...もうすぐ年末だ。
今は各企業の年次総会の時期だ...
藤原氏の来年度の計画は、大崎市全体の企業にとって先導的な役割を果たしており、すべての企業が藤原氏の目標と計画を注視し、学んでいる。
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村上念美は考え込んでいて、手の中の書類が床に落ちたことに気づかなかった。急いでかがんで書類を拾い上げ、横の引き出しがきちんと閉まっていないのを見て、手を伸ばして閉めようとしたが、引き出しの中には書類ではなく...お菓子があることに気づいた...
村上念美:「...」
村上念美は美しい瞳を見開き、素早く手を伸ばして引き出しを開けると、中には一杯のお菓子が詰まっていた。
いちご味のココア、シュークリーム、ポテトチップス、アイスティー、マシュマロ、チョコレート、ヤンメイ(杨梅)。
全て...自分の好物だった。