思いもよらず、村上念美はそれを発見してしまった...
まるで心の奥底に隠された秘密が、女性によって暴かれたようだ。
自分の心の内と同じように。
彼女の前では何一つ秘密がなく、ほとんど透明になってしまったかのようだ。
「私...」
目と目が合い、先ほどのキスは確かに甘美なものだった。
さらには艶やかでもあった...
しかし互角の戦いであり、互いに譲らない対決だった。実際のところ、二人は互いに負けを認めない駆け引きをしていたのだ。
「村上念美、誰に言われた?賞味期限切れのチョコレートを食べるなんて?ん?」
男性からの厳しい叱責の声に、村上念美の顔色が青ざめた。
特に男性のこのような容赦ない叱責は、少しの余地も残さなかった。
「ごめん...」
「もう謝るなと言っただろう、ん?」
村上念美:「...」
彼は彼女が何を言いたいのか知っていた。
村上念美は美しい瞳を上げたが、男性の鋭い冷たい目を直視する勇気はなく、震える声で言った:「すみません、でも...でもやっぱり言いたいです、ご...ごめんなさい、お手洗いに行ってきます。」
言い終わると、村上念美はよろめきながら社長室へと向かった。
藤原景裕は黒い瞳を細め、小娘が慌てて逃げる様子を見て、村上念美が一時的に自分と向き合うのが難しいことを理解した。
くそっ!
また彼女に怒鳴ってしまった。
実際、自分も焦りすぎていた。
視線を再び目の前のチョコレートに落とし、藤原景裕は薄い唇を引き締め、考え込んだ。
今はただチョコレートを見つけただけで、この愚かな女の子はそれを食べようとした。もし村上念美が南町別荘にこの3年間、自分が彼女のために用意してきたサンタプレゼントがあることを知ったら。
彼女はどう思うだろうか?
喜んでくれるだろうか?
藤原景裕の口角に薄い自嘲の笑みが浮かんだ。
自分は彼女に自分の苦心を理解してほしいとは望まないが、ただ彼女がプレゼントを見て喜んでくれるかどうかを考えている。
...
村上念美はトイレに入ると、すぐに洗面台の前で腰を曲げ、手で水をすくって顔にかけ、少し冷静になろうとした。
うん、賞味期限切れの食べ物を食べるなんて、自分以上にだらしない人はいないだろう。
自分が藤原景裕だったとしても、おそらく怒るだろう。
...