091 藤原景裕の深情_2

「一緒に行くよ。」

「うん。」

村上念美は鼻をくんくんさせ、心の中で信じられないほど温かくなった。男性に甘やかされるというのは、こんなにも幸せな味わいなのだろう。

おそらく、昨夜は二人にとって突破口だったのだろう。二人は膠着状態を打破し、関係は一歩一歩と静かに近づいていた。

...

景山家:

景山大旦那様は村上念美への電話を切り、酔いつぶれて意識のない景山瑞樹を見て、目を細めて言った。

「酔っ払っている以外に問題はあるのか?」

景山家の専属医師である田中医師は大旦那様のこの言葉を聞いて、すぐに口を開いた。「問題ありません、大旦那様。景山様はただ酔っているだけで、意識がやや朦朧としているだけです...」

「ふむ、熱は出ていないのか?」

「えっと...それは全くありません。」

田中医師は期待に満ちた様子の景山大旦那様を見て、とても驚いた。