「彼女たちが法的制裁を受けるのを見なければ満足できない、この間に私は弁護士の資格も取得したわ」
村上念美は心中複雑な思いだった。これもまた何とも苦しいことだ。
実際...心の魔を抱える人間は、自分だけではないのだ。
「うん」
村上念美は相馬紗奈とさらに日常の些事について話した後、電話を切った。
シアトルでの唯一の新しい友人として、相馬紗奈は自分にあまりにも多くの温もりを与えてくれた。
相馬紗奈の慰めで、村上念美の少し焦っていた心は落ち着いた。テーブルの上の固定電話が鳴り、村上念美は電話に出た。
「もしもし...」
「村上お嬢様ですか?私は木村陽太の母です...」
村上念美:「...」
聞き覚えのある声、村上念美には馴染みがあった。
久しぶりだ。
実際、帰国したばかりの時は彼らに会いに行きたいと思っていたが、自己の出現が百害あって一利なしになることを恐れていた。