村上念美は口元に微笑みを浮かべた。「ほら、さっきも睡眠薬を飲まなかったけど、よく眠れたでしょう。だから睡眠薬は本当に時々しか飲んでないの」
「うん」
村上念美は背中に冷や汗が流れるのを感じた。藤原景裕に自分が彼と一緒にいる時に睡眠薬を飲んでいたことを知られたらと思うと恐ろしかった。
おそらく...その結果は想像したくもなかった。
村上念美は軽く唇を噛み、男性の冷たく整った顔を見つめた。一瞬のうちに、病室の雰囲気は緊張感と気まずさに包まれた。
藤原景裕の瞳は一層深くなった。彼女がこの可能性のある子供を残したくないのは、一部は睡眠薬が理由なのだろうか?
また女性のために言い訳を探している自分に気づき、藤原景裕は自嘲気味に口元を歪めた。
彼女は...もし子供ができたら産むと、自分に堂々と言っていたのに...