103 キス_7

村上念美はまるで新大陸を発見したかのように、興奮して藤原景裕の大きな手を引っ張りながらぺちゃくちゃと話し続けた。

藤原景裕はそれを聞いて不自然に視線をそらし、淡々と「うん」と口を開いた。

「もう...あなたって本当にツンデレで意地悪ね、キスしておいて認めないなんて、私が目を覚ましたら頭ごなしに叱りつけるなんて。」

村上念美はサンタを抱きしめながら、藤原景裕を思い切り非難した。

藤原景裕は少女の愛らしい姿を見つめながら、薄い唇がかすかに微笑んだ。

実際...自分でも自分が気取りすぎていると思っていた。

女性を抱えて医務室に行ったことで、警告処分を受けそうになったのに...それでもやってしまった。

確かに...心の中では怒りが収まらなかったが、少女が台の上で横たわり、唇の色が青白いのを見て、思わず身を屈め、彼女の桜色の唇を含んでしまった。

陽の光が医務室のガラス窓から差し込み、二人の体に降り注ぎ、まるで...その瞬間、永遠のようだった。

ただ、自分は意識があったが、彼女は眠っていた。

「うん...実際、木村陽太が止めなかったら、おそらく『出師表』を十回書き写させる罰を与えていただろうね。」

「多くはない、十回だけ...」

村上念美:「...」

ツンデレ男の気質とはこういうものか。

村上念美は心の中で軽蔑しながらも、思わず小さな手で自分の赤い唇に触れた。

まあいいか...

「私がずっと誇りにしていた自分からのファーストキスが、こんな風になくなっちゃうなんて...」

「男は女に先を越されたくないものだ。」

藤原景裕は淡々と言ったが、その端正な顔には少し赤みがさしていた。村上念美はそれを見て思わず口を開いた。「じゃあ正直に認めなさいよ...実はとっくに私に惚れてたんでしょ?」

「うーん...そうよね、私みたいな美しくて、天真爛漫で可愛い子を...どんな男が目が見えなくて好きにならないっていうの?」

藤原景裕は相変わらず元気いっぱいの少女を見つめ、薄い唇がかすかに微笑んだ。

「うん...ちょうど君に会った時、目が見えなくなっていたんだ...」

村上念美:「...」

ひどい!

村上念美は不機嫌そうに抱いていたサンタを投げつけ、猫の爪で藤原景裕をひっかかせようとした。