103 キス_6

「でも...まだ寒いみたい、どうしたら寒くなくなるか知ってる?」

村上念美は潤んだ大きな瞳をパチパチとさせた。まるで天の星のようで、藤原景裕はただ一目見ただけで、心が陥落したように感じた。

「ん?」

この小娘がまた何か企んでいるとわかっていながらも、藤原景裕は思わず魅了されてしまった。

「簡単よ...こうすれば...」

そう言うと、村上念美は自ら小さな手を伸ばして藤原景裕の首に腕を回し、つま先立ちになって男性の薄い唇にキスをした。

二人の唇は冷たかったが、恋人同士の化学反応のように、すぐに熱く、燃えるように変わっていった。

村上念美は少年の黒い瞳が一瞬驚いたのを見たが、彼が自分を押しのけなかったことに満足して、唇の端を上げ、ゆっくりと美しい瞳を閉じた。

雪の中、人々が行き交う。