106 彼女の結婚保障【精、暖、クライマックス】_7

司会者はさっきまで口先だけで調子に乗っていたが、この瞬間、藤原景裕の前では、やはり生意気な真似はできなかった。

藤原景裕は淡々と頷き、その後薄い唇を引き締めた。

「本日は、皆様に藤原氏の今年度の全ての成功をご報告するだけでなく、藤原氏の経営陣の変動に関する事項もお知らせしたいと思います。」

藤原景裕の言葉は淡々としていたが、発した言葉は力強かった。

まるで静かな湖面に石を投げ入れたように、皆は非常に驚き、互いに顔を見合わせて囁き合った。

経営陣の変動...これは大事だ。

村上念美はその言葉を聞いて美しい瞳を見開き、内心ドキドキした...

この藤原家で藤原景裕は一人息子だ。もし経営陣の変動があるとすれば、経営権は藤原陽か熊谷紗奈に移るだろう。

お爺さまも年を取った...

絶対に熊谷紗奈に渡してはいけない。