109 あなたを我慢させたくない_4

藤原景裕は村上念美にこのようなことを強制しないだろう...

村上念美の小さな顔が男性の手の中で大切に包まれ、その後には極めて優しく熱い口づけが続いた。

村上念美はぼんやりとしながらも感じることができた。自分が藤原景裕の宝物であるかのように、この瞬間、男性の手の中で大切にされ、愛おしまれていることを。

...

柔らかな大きなベッドは、二人の体が横たわるにつれて、ゆっくりと沈んでいった。

藤原景裕の長身がベッドの上に覆いかぶさり、男性の冷たくも熱い息遣いが、村上念美の朦朧とした意識と混ざり合い、とても調和していた。

村上念美は意識をできるだけはっきりさせようと努め...そして勇気を振り絞って積極的に男性の薄い唇にキスをした。

実際には...キスというよりは舐めるような感じだった。

ただ純粋に男性の薄い唇を舐めるのも心地よいと感じただけで...

村上念美の積極性は、間違いなく藤原景裕の情熱を最高潮にまで高めた。

すぐに、豪華なヨーロピアンスイートルームの中は、艶やかな雰囲気に包まれた。

...

村上念美はお酒を飲んだ後、意識はぼんやりしていたが、睡眠薬を飲んだ時よりは意識がはっきりしていた。

記憶力もあった。

藤原景裕は最終的に我慢した。

ただキスをして抱きしめるだけで、最後の一歩に至ったとき、藤原景裕は自分を強制的に抑えた。

うーん...

村上念美が誘惑したとしても、藤原景裕は一線を越えなかった。

その男性は時々シャワーを浴びに行き、そうやって欲望を和らげていた。

午前5時になっても...村上念美は男性がまだ眠っていないことを感じ取れた。

実際...午前6時か7時頃になると、藤原景裕の体内にはまだ薬の効果が残っていたが、もうシャワーで抑える必要はなくなっていた。男性がもう苦しむ必要がないことを感じ取り、村上念美はほっとして安心して眠りについた。

昼頃、村上念美は弱々しく美しい瞳を開けた。昨夜の光景がすでに脳裏に素早く流れていた。

腰には男性の力強い腕があり、自分は完全に所有されるような姿勢で男性の腕に抱かれていた。

男性がすでに眠っていても...それでもこのように強引だった。

村上念美は口角を上げた...計算してみると...藤原景裕と一緒にいたこれまでの数回の中で、今回は...おそらく...最も調和していたのだろう。