「うん...」
男性の熱い胸に近づくたびに、村上念美は緊張して落ち着かなくなる。
この瞬間、藤原景裕が自分を信じてほしいと言い、村上念美は必死に自分を落ち着かせようと努め、頷いた。
...
藤原景裕は村上念美を直接バスルームに連れて行き、浴槽から離れるよう合図し、素早く浴槽に冷水を注いだ。
村上念美:「...」
もうすぐ年末だというのに、今は厳冬の時期なのに、藤原景裕は冷水浴をするつもりなのだろうか?
藤原景裕は素早く上着を脱ぎ、首元のネクタイを緩め、浴槽に立ち、冷たい水を頭から浴びた。
体内の熱さを冷たい水で和らげようとしていた。
村上念美:「...」
こんなに寒い日に、このままでは良くない。
村上念美は焦って前に出て、藤原景裕の腕を引き、小声で言った:「あなた...あなた...私を...頼っても良いのよ」
確かに...自分がいるのに。
藤原景裕はなぜ自分に触れないのだろう?
慌てた中で、村上念美はふと思った...もしかして薬の効き目が強すぎて、自分が耐えられないと心配しているのだろうか?
「どいて、君を傷つけたくない...」
藤原景裕は素早く村上念美を押しのけ、冷たい水で体内の熱さを和らげようとした。
実際、その熱さは藤原景裕を苦しめており、まったく和らぐ気配がなかった...
藤原景裕の黒い瞳はさらに冷たく深くなった...
村上念美はその様子を見て心配になり、自ら前に出て小さな手で男性の腰に抱きついた。
「だめ、私もあなたと一緒に冷水浴びる...」
藤原景裕:「...」
女性の小さな体が近づくにつれ、藤原景裕は体を横に向けて村上念美を冷たい水から守った...しかし、彼女を強く抱きしめることで、自分の体内の熱さはさらに激しくなった。
村上念美は勇気を振り絞り、つま先立ちして男性の薄い唇にキスをした。
「んっ...」
村上念美は今回...逃げなかった。緊張で心臓が激しく鼓動していたが、必死に抑えようとしていた。
先ほどのお酒の香りのせいで、その香りが二人の唇の間で広がっていった。
藤原景裕ののどぼとけが動き、村上念美は素早く手を伸ばしてシャワーヘッドを閉めた。
二人は溺れる子供のように抱き合っていた...
村上念美の口元に微笑みが浮かんだ。
「景裕、私は耐えられない...あなたが...」