117 熊谷紗奈、万悪の源【真相、購読お願いします】

村上念美は胸がドキドキと鳴り、素早く大広間の方向へ歩き始め、歩きながら携帯を取り出して藤原景裕に電話をかけた。

彼が警察署に来たのは何のため?あの時の事件のせい?

村上念美の瞳が一瞬揺れた。電話の向こう側はずっと繋がらなかった。

もし藤原景裕が本当に警察署にいるなら...おそらく電話に出る暇がないのだろう。

彼がここに来た目的は自分と同じなのだろうか?

「藤原奥様?藤原さんをお探しですか?」目ざとい警官が村上念美の身分を認識し、すぐに熱心に近づいて言った。

村上念美は口元に微笑みを浮かべた。警官のこの言葉を聞いて、ほぼ間違いなく藤原景裕がここにいることを確信した。

「はい、彼はどこにいますか?」

「藤原さんは取調室で供述を録取しています。」

村上念美:「...」

供述録取?

村上念美の瞳が一瞬揺れ、その後かすれた声で言った:「彼に会いに行ってもいいですか?」

「申し訳ありませんが...部外者は取調室に入ることはできません。それに、藤原さんと木下警官が中にいますので、邪魔することはできませんよ。」

「はい、わかりました。」

村上念美はうなずき、頭皮がちりちりとした。焦りを感じていたが、常識的なことはわかっていた。

「藤原奥様、少しこちらでお待ちになりませんか。」

村上念美はその言葉を聞いて、口元に薄い笑みを浮かべ、静かに言った:「結構です。私は自首しに来たのです。」

自首?

まさか。

聞き間違いじゃないか。

警官はその言葉に驚き、目の前の美しい女性を見つめ、村上念美が冗談を言っているようには見えない様子を見て、唾を飲み込んだ。

「藤原奥様、冗談ではないのですか。」

「いいえ。」

村上念美は淡々と言った:「私と藤原景裕が届け出た事件は同じものだと思います。」

「ですから、中に入って聞いてもらえませんか、私が入る資格があるかどうか。」

警官は怠ることができず、唾を飲み込み、すぐに言った:「少々お待ちください、上司に確認してきます。」

「はい。」

村上念美はうなずいた。間もなく、警官が自ら出てきて近づき言った:「藤原奥様、どうぞこちらへ...自首についてのお話を取調室でお聞かせください。」

「藤原さんがいる取調室です。」

「はい。」

村上念美はうなずき、傍らの相馬紗奈は表情を引き締めた。