117 熊谷紗奈、万悪の源【真相、購読お願いします】

村上念美は胸がドキドキと鳴り、素早く大広間の方向へ歩き始め、歩きながら携帯を取り出して藤原景裕に電話をかけた。

彼が警察署に来たのは何のため?あの時の事件のせい?

村上念美の瞳が一瞬揺れた。電話の向こう側はずっと繋がらなかった。

もし藤原景裕が本当に警察署にいるなら...おそらく電話に出る暇がないのだろう。

彼がここに来た目的は自分と同じなのだろうか?

「藤原奥様?藤原さんをお探しですか?」目ざとい警官が村上念美の身分を認識し、すぐに熱心に近づいて言った。

村上念美は口元に微笑みを浮かべた。警官のこの言葉を聞いて、ほぼ間違いなく藤原景裕がここにいることを確信した。

「はい、彼はどこにいますか?」

「藤原さんは取調室で供述を録取しています。」

村上念美:「...」

供述録取?