村上念美は胸がドキドキと鳴り、素早く大広間の方向へ歩き始め、歩きながら携帯を取り出して藤原景裕に電話をかけた。
彼が警察署に来たのは何のため?あの時の事件のせい?
村上念美の瞳が一瞬揺れた。電話の向こう側はずっと繋がらなかった。
もし藤原景裕が本当に警察署にいるなら...おそらく電話に出る暇がないのだろう。
彼がここに来た目的は自分と同じなのだろうか?
「藤原奥様?藤原さんをお探しですか?」目ざとい警官が村上念美の身分を認識し、すぐに熱心に近づいて言った。
村上念美は口元に微笑みを浮かべた。警官のこの言葉を聞いて、ほぼ間違いなく藤原景裕がここにいることを確信した。
「はい、彼はどこにいますか?」
「藤原さんは取調室で供述を録取しています。」
村上念美:「...」
供述録取?