123 再び罠を仕掛ける:DNA検査_5

村上念美は、木下麻琳が孤児院で過ごした過去のことをすべて相馬紗奈に伝え、相馬紗奈が混乱したままで何も知らないという状況を避けた。

話し終えると、村上念美は静かに言った。「結局のところ、人を害するには動機があるものでしょう?そうじゃない?」

相馬紗奈はうなずいた。確かに...村上念美の推測は単なる仮説ではなかった。

「それに...私は祖父が私に言っていたことを覚えているわ。彼は私が若い頃の祖母にとても似ていると言っていた...今、よく考えてみると、可能性はかなり高いと思うの。」

村上念美は口元を緩め、静かに言った。「まずは木下警官に病院へ持っていって検査してもらいましょう。どうせ今は特にすることもないし...私はただ時間つぶしのつもりよ。万が一を恐れるより、可能性を信じたいの。それに、景裕は今事件で忙しいから、私も何か意味のあることをしたいの。」

「いいわ。」

相馬紗奈は眉を上げ、村上念美の感情が安定し、思考が非常に明晰であることを見て、口角を上げた。

「念美、私は思うんだけど...もしこの熊谷紗奈が本当に法の裁きを受け、当時の関係者も法的に処罰されれば、あなたの心の病は治り、病状も自然と良くなるんじゃないかしら。」

「そうね...心の病は心で治すものだから。」

村上念美は眉間をこすり、相馬紗奈が続けて言うのを聞いた。「話は変わるけど、木村陽太はあなたに対して本当に深い愛情を持っているわね。彼はずっとあなたの状況を尋ねていた...ただ直接あなたに連絡を取らなかっただけで、いつも私に聞いていたわ。」

村上念美:「...」

うーん...

そんなこと言われても。

木村陽太の自分への気遣いを、自分が知らないわけがない。

景山大旦那様と景山瑞樹も含めて。

「そういえば、念美、あなたはなぜ最初に藤原景裕を選んで、木村陽太を選ばなかったの?」相馬紗奈は好奇心から冗談めかして尋ねた。

「うーん...女の子はみんな、クールで禁欲的で、自分に冷たい男性が好きなものでしょ...私もありがちなパターンに陥っただけよ。」

「木村陽太兄さんは...私にとって兄のような存在だった...反抗期の女の子だったから、木村陽太兄さんの温かさにすぐには気づけなかったけど、景裕の冷たさはすぐに感じ取れたわ。」