138 紳士も流氓になれる_6

「沢田さん、服部社長が...相馬紗奈を強姦しようとしたことについて、あなたたちは知っていたと言っています。」

「あの...私たちは服部社長の意図を全く知りませんでした。彼は、元々良い人ではなかったんですね。私はずっと立派な甥だと思っていました。」

木下警官は沢田恒夫が認めないだろうと予想していた。

「わかりました。服部社長の件については、後日あなたたちに証人になってもらうことになるかもしれません。問題ないでしょうか。」

証人?

清水香織はそれを聞いて即座に口を開いた:「証人?もう事件として立件されたんですか?」

「ええ...確かな証拠があります。相馬紗奈と無理やり結婚させるために、昨日強姦しようとした時、服部社長はビデオ撮影までしていました。結果...彼の行為がすべて録画されてしまったんです。バカじゃないですか?」

清水香織:「...」

沢田黛璃:「...」

清水香織と沢田黛璃の顔色が非常に悪くなった。

まさに泥棒を捕まえようとして逆に損をするとはこのことだ。

本当に愚かすぎる!

沢田恒夫は手のひらに冷や汗をかき、木下警官の言葉を聞いて頷いた。

「はい、証人としては、確かに...大丈夫です。」

「わかりました。それでは今のところ他に質問はありません。失礼します。」

そう言って、木下警官は立ち上がり、横にいた警官に自分についてくるよう合図し、沢田家の玄関へ向かった。

沢田恒夫はそれを見て急いで追いかけた。「はい、警官、お気をつけて。」

...

木下警官が去った後、沢田家の人々は死んだような静寂に包まれた。

沢田黛璃と清水香織は服部社長がこんなにあっさりと終わるとは思っていなかった。

ああ...世の中何が起こるかわからないものだ。

あの相馬紗奈は本当に手強い相手だ。

...

木下警官は沢田家を離れた後、相馬紗奈に電話をかけた。

「相馬先生、あなたの予想通り、彼らは頑として認めませんでした。」

「大丈夫です...陣形を乱すだけで十分です。」

相馬紗奈は鋭い目を細め、そして静かに言った:「あの...木下警官...えっと、私はちょっとグレーゾーンのことをしたいんです...例えば...沢田家の人々の口を割らせて、当時の真相を知りたいんですが、便宜を図っていただけませんか?」