バーのダンスフロアにて:
よく考えてみると、相馬紗奈は何年も風邪をひいていないことに気づいた...
うん、普段から非常に規則正しい生活を送っているため、発熱などというのは自分にとっては現実味のないことだった。
しかし、今は鼻づまりがあり、頭がくらくらして、さらにお酒も飲んだため、相馬紗奈は体の内側が燃えるように熱く、ひどく不快に感じていた。
そのため立っているだけでも力が入らず、小さな手を伸ばして景山瑞樹の首に腕を回すしかなかった。
そうすることで少し楽になれる。さもなければ...簡単に目の前が真っ暗になって倒れてしまいそうだった。
うーん...実際...自分からスキンシップを取るつもりはなかったのだ。
「おや、顔が赤くなってるじゃない...」
相馬紗奈は細い目を細めて、とても妖艶で魅力的に、景山瑞樹の耳が赤くなっているのを見て、小さな手を伸ばして男の耳たぶをつまみ、軽く笑いながら言った。