二人が絡み合っている様子は、見ていると心がむずむずして、思わず唾を飲み込んでしまう。
相馬紗奈は気取ったところも小さなことにこだわるところもなく、群衆に向かって腕を振った。
「今夜のお酒は...全部私の隣のイケメンのおごりよ、だから皆さん...思いっきり楽しんで。」
「美女とイケメンに感謝!」
「今日はスポンサーに出会ったな。」
「ラッキーだね、ハハハ。」
相馬紗奈の一言で、群衆の中から歓声が次々と上がり、すぐに沸騰した。
ただ景山瑞樹だけが、ひどく不機嫌な顔をしていた。
まさか、相馬紗奈がこんなに遊び慣れているとは。
このくらいのお酒代を気にしているわけではない。
ただ景山瑞樹には、ずっと相馬紗奈というクイーンのような女性に鼻を引っ張られているような感覚があった。
景山瑞樹は女性の体がわずかに揺れているのを見て、すぐに手を上げて女性の細い腰に置き、相馬紗奈を抱き寄せ、眉をひそめて言った:「紗奈、遠慮なしだな。」