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階下に降りると。
案の定、村上家の人々はすでに豪華な昼食を用意していた。
今回は、家族全員が忙しく立ち回っていた。
村上翔偉と熊谷徹朗でさえ、あれこれと手伝っていた。
木下麻琳と渡辺愛美は大忙しだった。
村上佑城は付き添いの助手に車椅子を押されて食卓の前に連れてこられた。
渡辺愛美は村上念美と藤原景裕の姿を見るとすぐに声をかけた。「念美、景裕、早く手を洗いなさい。今日はね、あなたたち二人の好物も作ったのよ」
「やっぱりおばあちゃんは私を甘やかしてくれる...」
村上念美は甘く微笑み、藤原景裕と手を洗った後すぐに食卓に着いた。
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普段は木下麻琳と渡辺愛美はそれほど多くを語らないが、今日は特におしゃべりだった。
村上佑城を引き込んで家庭内のあれこれを話していた。
特に渡辺愛美は、まだ一度も会ったことのない外孫に対して格別の愛情を示していた。
熊谷徹朗と村上翔偉はやはり男性なので...言い出せない言葉もあり、ずっと心の奥底に秘めていた。
最後に、村上翔偉が話を切り出した。
「佑城、お前は除隊してからずっと仕事をせず、普段は村上氏の雑事を手伝っているだけだが...こうしよう、お前が戻ってきたことだし、父さんも年だ。村上氏はもともとお前に継がせるつもりだった。この機会に、村上氏をお前に任せようと思うが、どうだ?」
村上翔偉の意図は皆が理解していた。
村上佑城が足のことで無為に過ごすことを心配していた...
それなら村上氏を彼に任せて、男としての自信を取り戻させた方がいい。
村上佑城:「...」
木下麻琳は村上佑城が口を開かないのを見て、自ら言った。「佑城、ママはこの案がいいと思うわ。お父さんも一生会社を経営できるわけじゃないでしょう。それに、念美は今景裕と結婚したし、彼女にはまだシアトルでの学業が残っているわ。安子については...あなたも状況を知っているでしょう」
村上佑城は木下麻琳と村上翔偉が口を開いたのを見て、頷いた。
「わかりました、父さん、母さん」
村上佑城が承諾したのを見て、村上翔偉と木下麻琳は喜色満面で、興奮を隠せなかった。
渡辺愛美と熊谷徹朗は口元を引き締めて言った。「これからは皆家族なんだから、景裕も手伝えるわよ」
藤原景裕は渡辺愛美と熊谷徹朗に名指しされ、頷いた。