第29章 ただの役立たず、大したことにはならない

青木家。

「ようやく真相が明らかになったな。青木朝音は冤罪だったんだ。やっぱりそうだと思ったよ。朝音さんは前は少し不細工だったけど、あの吉田択哉なんかに目をつけるわけがない。あいつはそんなにイケメンでもないし、背も低いし...」

青木誠司はソファに寄りかかってSNSをスクロールしながら感慨深げに言った。心の中でほっとしていた。朝音が彼を失望させなかったことに。

誰も気づかなかったが、傍らに座っていた深井蓉悠は、SNS上のスクリーンショットを見て、全身が硬直していた。

急いで二階の自分の部屋に戻ると、妹の深井緋珠に電話をかけ、盗人猛々しく声を潜めて問い詰めた。

「あなた、どうやって仕事したの?監視カメラに映っていたことも知らなかったの?幸い顔は見えなかったけど、そうでなければ私たち全員終わりよ」