第34章 青木朝音の過保護な癖が出た(4)

15分が瞬く間に過ぎ、後半戦が始まった。リングに上がる前、吉田毅は心配そうに彼の袖を引っ張った。

「兄貴、マジで青木のバカ女の言うことを聞くつもりなのか?彼女、お前を陥れようとしてるんじゃないか?忘れるなよ、俺たち昔、学校で彼女をからかったことあるぞ」

「大丈夫だよ、やってみればわかるさ」

深井鷹行は再び意気揚々としていたが、実は前半でかなり痛めつけられていた。

今は歩くだけで全身が痛み、足取りもおぼつかない。左目は電球のように腫れ上がり、とても滑稽だったが、気迫では絶対に負けられなかった!

「兄貴、もし本当に持たないようなら、白いタオルを上げて降参してくれよ。無理はするなよ」

「わかってるって!うるさいな」

深井鷹行は両足を軽く蹴り上げ、まだ機敏にリングへ飛び乗った。顔中アザだらけで見るに堪えない状態なのに、その眼差しは鋭く、まるで果てしない殺気を秘めているかのようだった。