第34章 青木朝音の過保護な癖が出た(4)

15分が瞬く間に過ぎ、後半戦が始まった。リングに上がる前、吉田毅は心配そうに彼の袖を引っ張った。

「兄貴、マジで青木のバカ女の言うことを聞くつもりなのか?彼女、お前を陥れようとしてるんじゃないか?忘れるなよ、俺たち昔、学校で彼女をからかったことあるぞ」

「大丈夫だよ、やってみればわかるさ」

深井鷹行は再び意気揚々としていたが、実は前半でかなり痛めつけられていた。

今は歩くだけで全身が痛み、足取りもおぼつかない。左目は電球のように腫れ上がり、とても滑稽だったが、気迫では絶対に負けられなかった!

「兄貴、もし本当に持たないようなら、白いタオルを上げて降参してくれよ。無理はするなよ」

「わかってるって!うるさいな」

深井鷹行は両足を軽く蹴り上げ、まだ機敏にリングへ飛び乗った。顔中アザだらけで見るに堪えない状態なのに、その眼差しは鋭く、まるで果てしない殺気を秘めているかのようだった。

彼は歯を剥き出しにして相手を睨みつけ、必ず相手を打ちのめしてやると決意していた!

リングに上がる各ボクサーの手首には白いタオルが結ばれており、もし本当に耐えられなくなったら、そのタオルを掲げて降参することができる。

そうすれば、相手はもう攻撃を続けることができず、試合も終了する!

「おいでよ、バカ野郎!」

深井鷹行は突然、挑発するように相手に指で合図を送った。その軽蔑的で傲慢な態度に、相手は完全に激怒した。

大きな叫び声とともに、巨大な拳を振り上げ、嵐のような勢いで深井鷹行の頭めがけて殴りかかってきた!

「兄貴、気をつけろ!」

吉田毅は恐怖で目を覆い、心臓が止まりそうになった。

電光石火の間に、深井鷹行はさっと身をひるがえして避け、さらに素早く体を低くして、危うく迫りくる一撃をかわした。そして二人は組み合いになった。

一方は連続攻撃に頼り、もう一方は回避と防御に徹し、深井鷹行はついでに相手の左腰を狙って攻撃するチャンスを探っていた。

その間、深井鷹行は何発か拳を食らい、痛みで冷や汗が噴き出した。

今や両目とも肉まんのように腫れ上がり、対称的になったが、彼の回避動作はますます苦しくなっていった。