狂ってる、この世界はマジで狂ってる!
深井鷹行は驚きのあまり頭が真っ白になり、今は必死に青木朝音の腰を抱きしめ、バイクのスピードがどんどん上がっていくのをただ受け入れるしかなかった……
追っ手が追いついてこないと気づくと、青木朝音は突然見事なテールスライドを決め、バイクはかっこよく急ブレーキをかけた!
「キーッ——」
路肩に停車すると、二人はバイクから降りた。
「うわ、朝音さん、あなたの…あなたのバイクの腕前が…」深井鷹行は本当に驚いて、言葉も出ない状態だった。
「あの人たちはなぜあなたを追いかけていたの?」青木朝音は尋ねた。
深井鷹行は少し恥ずかしそうに鼻をこすり、憤慨して言った。「奴らは男を強奪しようとしたんだ!」
「え?」
「俺が気に入られちゃったんだよ。はぁ、イケメンであることは罪だな!」深井鷹行はかなり悩ましげだった。