日曜日、全国高校生数学コンテストが開催される日であり、開催場所は権州第一高校で、参加者は参加カードを持って入場する。
青木朝音は井上九が彼女のために手に入れた参加カードを持って、スムーズに第一高校に入り、試験会場へと直行した。
校内は人々で賑わっており、参加者の数がいかに多いかがうかがえる。
全国大会である以上、参加者は当然各高校から来ており、それぞれが自分の学校から厳選された精鋭たちで、数学科の代表だ。
ほとんどが男子で、女子はかなり珍しい。
やはり、女の子は言語面で男の子より敏感だが、男の子は理系思考が強く、それもかなり強い。
もちろん、これは絶対的なものではない!
例えば青木朝音は、文系でも理系でも非常に優秀だ。
人に認識されるのを恐れて、キャップとマスクを着用し、試験会場に入ると自分の席を探した。
会場内は静まり返っていた。結局のところ、誰も互いを知らず、皆が緊張して自分の席に座り、ただ試験問題が難しくないことを願っていた。
ある男子が試験会場に入ってくるまでは、教室内は静かだったが、その男子を認識した人がいるらしく、小さな議論が起こり、興奮した様子が見られた。
「ねえねえ、あれって第一高校のイケメン兼学業優秀者の厳谷君彦じゃない?数理化のトップで、毎回の試験で県内一位、以前人民日報にも載ってたよ、彼の写真を見たことがある。」
「マジで?私たち彼と同じ試験会場なの?こんないい運があるなんて。」
入ってきたのは、クールな外見で、背が高く、ハンサムな男子だった。彼は無表情で自分の席に向かって歩き、全身から人を寄せ付けない雰囲気を発していて、非常に冷たく淡々としていた。
周囲のすべてに無関心で、完全なクールボーイだ。
偶然にも、彼は青木朝音の右隣の席に座った。
大きな黒いマスクをつけた青木朝音は、みんなの議論を聞いて、ようやく顔を向け、思わず彼を何度か見つめ、すぐに視線を戻した。
なるほど、この少年が外来者に恋されている婚約者か?
確かにかなりのイケメンだ、納得だ。
そう思うと、青木朝音はまた彼を二度見てしまった。彼女の頻繁な視線に気づいたのか、厳谷君彦は眉をひそめ、少し不快そうだった。
幸い、そのような視線には慣れていて、気にしていないようだった。
「リンリンリン——」