第67章 監督官、激怒する

「上野先生、どうされたんですか？」

隣の試験監督は、彼の顔色が悪く、怒って髭を震わせ目を見開いているのを見て、思わず心配そうに尋ね、特に声を低くした。

「見てごらん、あの解答スピードで、ちゃんと解いているように見えるかい？本当に腹が立つよ」

上野先生は目で合図し、マスクをしたその女子学生の解答スピードがますます速くなっていることに気づいた。どれほど速いかというと？

隣の下書き用紙は全く動かされておらず、まるで計算が全く必要ないかのようだった。

「ちっ、こんな人がどうやって選ばれて大会に出場しているんだ？ふざけているとしか思えないよ」その人も義憤に駆られた様子だった。

「ふん、後でどこの学校か確認して、しっかり叱らないといけないな。一体どんな人選をしているんだ」

「はい、はい、上野先生、どうか怒りを鎮めてください」その人はおべっかを使い、上野先生の立場を恐れているようだった。

今回の数学コンテストは非常に慎重に行われており、招かれた試験監督の中には大物もいた。例えば目の前のこの上野先生は、権州数学協会の副会長で、教育界で高い評価を受けていた。

上野先生は心の中で思った、願わくばあの学生が自分の県の出身でないことを。さもなければ彼女を徹底的に叱りつけずにはいられない！

こんな重要なコンテストを遊び半分に扱うなんて、しかも彼女はまるで気にも留めていないような無関心な態度で、それがさらに腹立たしかった！

一方、彼の弟子の厳谷君彦を見ると、明らかに真剣に考え込んでいる姿勢で、額には汗さえ浮かび、ペンを持って下書き用紙に何度も計算を繰り返していた。これこそが正常な姿だろう？

今回のコンテストの問題は非常に難しく、高得点を取れる人はほとんどいないだろう。合格点に達するだけでも上出来だ。

そのため、今試験会場では、ほぼすべての受験生が悲しげな表情をしており、頭を掻いたり、ペンを噛んだり、眉をひそめたりして、明らかに難問に苦戦していた。

そのマスクをした女子学生を見ると、目を伏せ、だらしないボスのような態度で、肘をテーブルに置き、頭を斜めに支えて歪んだ姿勢で座っていた。

非常に無関心に見えるのに、解答のスピードは前代未聞の速さで、本当に舌を巻くほどだった。

「ひどい！」