「え?手伝ってくれるの?」
青木朝音はゆっくりと振り返り、北川麟兎の輝く瞳と目が合った。彼は小鳥のようにコクコクと頷きながら、「うんうんうん、これからの宿題、全部引き受けるよ、どう?」と言った。
そう言いながら胸を叩き、とても真剣そうだった。
母上様の心配事を解決するのは、息子としての当然の責任だ!
青木朝音はますます不思議に思った。「なぜ私を手伝うの?もし間違ってなければ、私たち以前は知り合いじゃなかったよね?」
「今知り合ったじゃない?実は...僕と友達になってくれない?安心して、僕には目的も下心もないよ、純粋に友達になりたいだけ、親友みたいな感じで」
北川麟兎の声は山間の清水のように澄んでいて心地よく、彼自身のように人に爽快感を与えた。見た目も純粋で策略がなさそうで、人は自然と警戒心を解いてしまう。
青木朝音は彼の澄んだ黒い瞳をしばらく見つめ、最終的に頷いた。「じゃあいいよ、宿題をよろしく」
そう言って、真新しいノートを彼に投げた。
北川麟兎はノートをめくって一目見ると、何も書かれていないことに気づき、「じゃあ、ちょっと何か書いてみてくれない?君の字を真似できるように。そうすれば先生も疑わないだろうし」と言った。
青木朝音は「私の字は下手だから、下手に真似してくれていいよ。下手なほどいい」と答えた。
「ああ、問題ないよ」
北川麟兎はすぐに明るい笑顔を見せた。小さな犬歯がとても可愛らしく、笑うとできる二つの笑窪も相まって、まさに人の心を溶かすような笑顔だった。
青木朝音は一目で彼のことが好きになった。もちろん男女間の好きではなく、姉が弟に対する好きという感じだった。
「あなたも青木姓なの?」
青木朝音の口角が上がり、淡い笑みを浮かべた。その笑顔に北川麟兎はほとんど目がくらみそうになり、すぐに喜びに浸った:わあ、母上が僕に笑ってくれた、母上が僕に笑ってくれた。
「うんうんうん、僕は青木だよ、家族全員青木姓だよ」北川麟兎は嬉しそうに何度も頷いた。まるで青木姓であることがとても誇らしいことであるかのように。
青木朝音は何故か笑いたくなった。彼の様子はまるでおバカなハスキー犬のようで、思わず頭を撫でたくなった。
「ふふ、面白い人ね」