第102章 私と付き合ってみない?

古川松陰は自分のケチな過去を清算するために、本気で大金を使い、前回と同じレストランを貸し切るという太っ腹な行動に出た。

つまり、この時点で、広々としたレストランには古川松陰と青木朝音の二人の客しかおらず、テーブルいっぱいに並べられた料理はもう置き場がなくなりそうで、脇の食事台にも料理が山積みになっていた。

青木朝音は少し呆れた様子で言った。「こんなに頼まなくても、食べきれないわ」

「食べきれなければ残せばいい。好きなものを選んで」古川松陰は手際よくステーキを切り分けながら、切り終えた皿を朝音の前に差し出した。

「後で私に払わせるつもりじゃないでしょうね?」

青木朝音は冗談めかして尋ねたが、実際にはケチ様に対する印象がかなり変わっていた。彼が細やかな気配りをする人だということにも気づき、ずっと自分のためにステーキやフォアグラを切り分けてくれていた。