テーブルいっぱいの食べ物は当然食べきれず、青木朝音は無駄にするのが嫌いだったので、全部持ち帰り、猫が食べられる食べ物を選んで、歩道橋の下で野良猫に与え、残りはホームレスの人たちにあげた。
古川松陰はそれを見て、彼女がとても思いやりがあることに気づき、自分の決意をさらに固めた——
この女、俺のものにする。
……
土曜日、青木朝音は朝食を済ませた後、実家に行った。おじいさんがスマホを持ちながら、ぶつぶつと文句を言っているのを見かけた:
「このアサガオってやつは、どうして何日も接続してないんだ?前回私に勝ったから隠れてるのか?ふん、いつか必ず捕まえて、それから...それから...仕返ししてやる!」
「おじいちゃん」
声を聞いて、おじいさんはさっと顔を上げ、すぐに不満げに叫び始め、愛する孫娘の慰めを求めた。「かわいい孫よ、ちょうどいいところに来た。おじいちゃんはいじめられたんだよ、うぅ...」
そう言いながら、わざとらしく泣き真似をし始めた。
傍らで見ていた福田おじさんは思わず笑みを漏らした。
彼はおじいさんが年を取るほど幼くなっていくのを感じた。まるで年老いたいたずら小僧のようだ。
「誰があなたをいじめたの?」青木朝音は心配そうに足早に近づき、おじいさんのスマホ画面を覗き込んだ。
おじいさんは憤慨して敵のニックネームを指さした。「こいつだ!このアサガオという野郎だ!」
青木朝音:「……」
これは彼女の囲碁アカウントのニックネームではないか?
まずい、もしかして...前回彼女と対戦して彼女に人生を疑うほど虐められたのは自分のおじいちゃん?
そんな偶然があるはずない!
「おじいちゃん、このアサガオという人があなたをいじめたの?」青木朝音は心虚になり、唇を軽く噛みながら、そのアサガオが誰なのか知らないふりをした。
「ふん、いじめるどころか!まさに屈辱だ!」
おじいさんは自分の囲碁の腕前はかなり高いと自負していたが、結果的に5連続で完敗してしまった。きっと誰かの高段者が故意に別アカウントを作って自分をいじめているのだと疑い、考えるだけで腹が立った。