第111章 アサガオ登場、棋局を解く(1)

二人が去った後、一人のおばあさんがやってきた。身なりから裕福な人には見えなかった。値段を尋ねると、若者はさらに値段を下げ、50元だけにした。

おばあさんはしばらく迷った末、結局50元を取り出して買い、優しい顔で「ありがとう」と言うと、宝物のように匂い袋を大事そうに持って去っていった。

その後は誰も買おうとする人はいなかった。せいぜい値段を聞くか、嘲笑うだけで、若者が値段を5000元に上げたことで、多くの軽蔑や罵倒を受け、金に目がくらんでいると言われた。

店じまいをしようとしたとき、見覚えのある姿が走ってきて、興味津々に匂い袋を一つ手に取り、じっくり見て、小さな虎歯を見せながら尋ねた。「これは本当に忘憂の匂い袋なの?」

若者はうなずいた。「間違いありません」

北川麟兎の顔から笑みが消え、怖い表情を見せた。「嘘つき!これが本物なわけないでしょ?本物の忘憂の匂い袋はなかなか手に入らないんだから」