第123章 魔王あさねのサイン本が盗まれた

「もちろん偽物だって知ってるよ、でも効果があるかもしれないじゃない?どうせ安いし、たった10銭だよ」北川麟兎は堂々と言った。

実は内心では得意げだった。たった10銭で買えたなんて、効果がなくても大きな掘り出し物を見つけた気分だった。

「10銭?」

北川倫慶はますます嫌そうな顔をして、手に持っていたものをソファの下に投げ捨て、ウェットティッシュで手を拭いた。

こんなに安いものは、毒があるんじゃないだろうか?

「四兄さん、なんで捨てちゃうの?」北川麟兎は怒って目を丸くした。

北川倫慶はまた少しイライラし始めた。「バカなの?10銭のものがいいものであるわけないだろ?俺を毒殺したいのか?」

北川麟兎は納得しない様子で言った:「でも効果があるって言ってたよ、不眠症に効くって。だから買ったんだ」