第124章 試験中に寝る

あっという間に月末になり、今日は月例テストの日だった。このテストは大学入試の基準に従って行われるらしく、カンニングを防ぐために教室にはカメラも設置されていた。

試験会場はランダムに振り分けられ、偶然にも青木朝音と青木愛茉は同じ会場になった。

北川麟兎と厳谷君彦も同じ会場だった。

試験会場に入る前、北川麟兎は青木朝音の耳元でしきりにおしゃべりしていた。「覚えておいてね、選択問題で分からないのはすべてBを選ぶんだよ。予感がするんだ、今回はBの答えが多いって」

彼は何度かのテスト結果を分析した結果からそう言って、彼女に熱心に忠告していた。

「分かったわ」青木朝音はあっさり答えたが、実際には気にも留めていなかった。

その会話は前を歩いていた厳谷君彦の耳に入り、彼は眉をひそめ、言い表せないほどの嫌悪感を抱きながら、足早に試験会場へと向かった。