第124章 試験中に寝る

あっという間に月末になり、今日は月例テストの日だった。このテストは大学入試の基準に従って行われるらしく、カンニングを防ぐために教室にはカメラも設置されていた。

試験会場はランダムに振り分けられ、偶然にも青木朝音と青木愛茉は同じ会場になった。

北川麟兎と厳谷君彦も同じ会場だった。

試験会場に入る前、北川麟兎は青木朝音の耳元でしきりにおしゃべりしていた。「覚えておいてね、選択問題で分からないのはすべてBを選ぶんだよ。予感がするんだ、今回はBの答えが多いって」

彼は何度かのテスト結果を分析した結果からそう言って、彼女に熱心に忠告していた。

「分かったわ」青木朝音はあっさり答えたが、実際には気にも留めていなかった。

その会話は前を歩いていた厳谷君彦の耳に入り、彼は眉をひそめ、言い表せないほどの嫌悪感を抱きながら、足早に試験会場へと向かった。

青木朝音はだらだらと試験会場に入り、ボールペン一本だけを机の上に投げ出すと、片手で顎を支え、目を閉じて居眠りを始めた。

一番嫌いなのはテストだった。携帯電話も持ち込めないし、寝る以外にすることがなかった。

幸い彼女は頭が良かったので、昨夜はあまり寝ておらず、今日のテストでたっぷり眠ることができた。

そうでなければ、時間があまりにも耐え難いものになっただろう。

周りの多くの男子が彼女を見つめていた。青木朝音は知らず知らずのうちに、生まれつきの美しさと飾り気のない容姿で、青木愛茉や深井花月を打ち負かし、名実ともに新しい学校一の美女になっていたからだ。

今、彼女が居眠りをしている姿さえ信じられないほど美しく、男子たちはうっとりと見とれていた。

しかし、軽蔑する者もいた。「どんなに美しくても何の意味がある?金で裏口入学した役立たずじゃないか。俺の女神・青木愛茉とは比べものにならない」

噂をすれば影というように、ツインテールで薄化粧をした、甘くて可愛らしい姿の少女が試験会場に入ってきた。彼女のファンたちが一斉に駆け寄った——

「女神様、女神様、あなたもこの会場なんですか?なんて幸せなんだ」

青木愛茉は無邪気に甘く微笑んだ。「みなさん、こんにちは」

「うわぁ〜女神様のツインテールが可愛すぎる、僕の心臓がもたないよ」

数人のファンが顔を覆い、下品な笑みを浮かべていた。